代表挨拶
市原 健太郎

代表取締役
市原 健太郎
日本のものづくりの現場で10年、北米の最先端工場で5年。両方を持つ「和魂洋才」の技術者。
私はこれまで、システムを「発注する側」にも「作る側」にも立ってきました。両方の席に座ったうえで申し上げると、うまくいかない理由は、たいてい技術の外側にあります。
15年、私は技術の側にいました。設備を制御し、工程を組み、数字で品質を詰める。技術は正しく使えば必ず応えてくれる——そう信じていた15年です。
その前提が崩れたのは、北米EVメーカーとの協業工場(米ネバダ)の立ち上げでした。崩れ方は、思っていたのと逆です。技術は十分にありました。それどころか、業務を仕組みに落とす力、システムとして組み上げる地力は、正直に言って向こうのほうが上でした。
足りなかったのは、二つです。ひとつは現場現物。図面と数字の上では正しい。けれど、実際のラインの前に立って現物を見ることが習慣になっていない。もうひとつは軸です。この工程は何のためにあるのか——私が日本で叩き込まれた、松下幸之助の言う「何のために事業をやるのか」に当たる芯が、組織に通っていませんでした。だから判断がそのつど揺れる。技術と仕組みだけでは、動かない。5年の駐在で身体に入ったのは、これです。
帰ってきて、まったく逆のことに気づきました。日本の現場には、現場現物も軸もあります。何のためにやるのかを、誰もが身体で分かっている。足りないのは、それを仕組みに落とす力のほうでした。工夫は一人の頭の中に貯まり、紙と表計算に散らばって、その人が抜けた日に消えてしまう。志だけでも、仕組みにはならないのです。
だから、両方が要ります。仕組みにする技術は輸入できます。いまはAIが、その輸入速度の差さえ消しました。けれど現場現物と軸は、外から買えない。逆に、それがあっても、形にする技術がなければ掛け声のまま終わります。——和魂洋才は、私にとって精神論ではありません。この二つが揃わないと現場が動かなかった、という実務の記録です。
だから私は、作る前に現場に潜ります。最初の1〜2週間は一緒に手を動かし、経営者と現場のズレを言葉にする。解くべき課題を1〜2個に絞ってから、はじめてコードを書く。技術を15年やってきた人間が、技術から始めない理由は、これです。
そして、現場の道具を捨てさせません。技術しか知らない相手は、いちばん手早い方法として全部の入れ替えを勧めます。現場の工夫が何年かけて育つものかを見てきた人間は、それを勧めない。慣れた道具は残したまま裏でつなぎ、いま自社がどこにいるのかをチーム全員が同じ絵で見て、次の一手まで決まるところへ持っていく。
「え、そんなことができるんですか」——お客様のその一言が、私の何よりの原動力です。新しいものを試すことが、私のライフワーク。その驚きと、技術がもたらす恩恵を、いちばん必要としている地域の現場へ届けたい。それが、この仕事を続ける理由です。
代表取締役 市原 健太郎
技術は輸入できる。何のために使うかは、輸入できない。
どちらが欠けても、現場は動きませんでした。仕組みに落とす地力は、正直に言って向こうが上でした。けれど現場現物と軸は、こちらにしかなかった。両方を見たから、両方が要ると言えます。
和魂
何のために使うか
- 日本のものづくりの現場で10年
- 現場現物。図面と数字ではなく、現物の前に立って確かめる
- 現場の工夫が、どれだけの年月をかけて育つかを知っている
- 松下経営哲学を根本規範に置く
これだけだと
志はあるのに、仕組みにならない。工夫が一人の頭に貯まって、その人が抜けた日に消える。
洋才
どうやって実現するか
- 北米の最先端工場で5年、新ライン立ち上げと生産安定化をリード
- 生産設備・生産システムの設計と実装
- AIを前提にした開発
これだけだと
動くものは作れるのに、使われない。現場が何のために使うかを決めていないから。
片側だけの技術者は、いちばん手早い「全部入れ替え」を勧めます。両方があるから、現場の道具を捨てさせずに済むのです。
プロフィール
信州大学大学院修了後、パナソニックにて電池製造プロセスエンジニア・SEとして15年間勤務。米国ネバダ州の車載電池工場(Panasonic Energy of North America)での駐在を経て独立。現在は熊本を拠点に、先端研究開発から中小企業の業務自動化・システム開発まで幅広く支援する。
キャリア
2010 – 2017
ものづくりの魂を学ぶ
パナソニックにて電池製造プロセスのエンジニアとして、設備制御や新工場の立ち上げに従事。「1級電気機器組立て技能士」「品質管理検定2級」を取得し、日本のものづくりの精神を叩き込まれた。
2017 – 2022
世界への挑戦
北米EVメーカーとの協業工場(米ネバダ)にて、検査工程エンジニアリーダーとして新ライン立ち上げ・生産安定化を牽引。多様なチームと技術で貢献する喜びを実感した5年間。
2025 – 現在
現場への還流
「必要な人に、必要な技術を、適正な価格で」という想いから2025年に独立し Nexa Engineering を設立。企業の専属エンジニアとして、動くプロトタイプから始めるユーザーファーストの開発で、現場に根づくシステムを届けている。